ハイブリッドカーの燃費がいい本当の理由「なぜ?モーター?エンジン?」
この記事では,みんなが知っていそうで知らない
ハイブリッドカーの燃費がいい本当の理由
についてお話しします.知っていますか?
実はこの話,質問サイトでもよく見かけるのですが,
その回答のほとんどが,
うーん...そこ?笑
って感じ.
ということで,
記念すべき初めての記事はこれについて話そう.
自動車に詳しくない方にも読んでいただけるように,
できるだけシンプルに分かりやすく説明します.
ではさっそく.
ハイブリッドカーとはなんぞや
ずばり言います,
エンジンと電気モータの両方を持つ自動車
です...
知ってますよね笑
ちなみにハイブリッドという言葉,
元々は混合の~という意味で,
この場合はエンジンと電気モータの組み合わせという意味で用いられています.
そう考えると,電動自転車も人力と電気の力を使ったハイブリッドな乗り物と言えます笑
ということでこの記事では
なぜエンジンと電気モータを組み合わせると燃費が良くなるのか
に着目して話を進めていきます.
ガソリンエンジン
みなさんご存知,ガソリンエンジン!
し,知ってますよね......?
今現在,市場に出回っているハイブリッドカーのほとんどがガソリンエンジンを使っているので,ここではガソリンエンジンについて考えていきます.
あまり知られていないのですが,実はこのガソリンエンジン,
効率が良くない!
一般的なガソリンエンジンは燃料のエネルギーの30%ほどしか使えていないと言われています.しかも,エンジンの使い方によってはさらに効率は悪化します.
じゃあ,なんでこんなに普及してるの?
総合的に見たとき他よりマシだからです.
あまり専門的になりたくないのでここは突っ込みません笑
ハイブリッドカーを考える上で
大事なポイントがあります.それは,
ガソリンエンジンは低速が苦手
ガソリンエンジンというものは燃料を爆発させたそのエネルギーを回転に変えて力を生み出しており,この場合の低速というのはエンジンの回転数が低いことを意味します.
自動車のスピードが遅いとき,と考えてもらっても構いません.
自動車が停車しているとき,エンジンはアイドリングという待機状態にあるのですが,
アイドリングていうのはエンジンが可能な限り遅いスピードで回っている状態です.
(遅いといっても毎分700回転程度なのですが笑)
そこから自動車を発進させようとすると,エンジン君にはきつい.
効率も悪くなってしまう(ここ大事!).
そこでエンジン君は
「僕の得意な,効率の良いタイミングで働けたらなあ...」
って思うわけです.
ここであの電気モータさんが登場します.
電気モータ
何を隠そう,
電気モータは低速が得意
厳密には低速のみならず,高速域まで幅広く力を出すことが出来ます.
みなさん,お気づきでしょうか?
そうです,
電気モータさんがガソリンエンジン君を助けてあげれば...
ガ「くっ,低速は苦手です...」
モ「ここはおれに任せな坊や.ギュィィィ-ン!」
ガ「電気モータさん...」
となるわけです.
つまり,
ガソリンエンジンの力が出づらく,効率の悪い条件のときに電気モータが力を出す.
電気モータは効率がほとんど変動せず,安定して力を供給することができます.
んじゃ電気モータだけ使えばいいじゃん?
当然の流れです.
しかし,そう簡単にはいかないのがこの世の中.
電気モータさん実はある人とペアになって働いているんです.
バッテリー
簡単にいうと充電できる電池みたいなものです.
バッテリーと聞くと,皆さん
バッテリーがあがった!
などでよく聞くあのバッテリーをイメージされるかもしれませんが,
これから説明するバッテリーは全くの別物です.
基本的に電気モータを使っているハイブリッドカーや電気自動車には電気モータにエネルギーを供給する専用のバッテリーが搭載されています.
電気モータさん,このバッテリー姉さんから電気を貰って働いていたんです.
バ「ほら!働きなっ!」
モ「はぃぃぃよろこんでーー!!」
では,電気モータのみを使っていて,このバッテリーが空になったらどうでしょうか.
そうです,モータは動きません.
充電すればいいじゃん?
そこがポイントなんです.
自動車という乗り物を考えた時に,燃料をどのように補充するのか,というのは非常に重要になってきます.
バッテリーは充電に時間がかかります.
ガソリンスタンドでの給油が数十秒足らずで終わる一方,自動車用バッテリーの充電には最短でも30分かかります.(急速充電での場合.家庭用電源では数時間.)
ガソリンエンジンがいまこの世の中に普及しているのもこの要因によるところが大きいです.
更にバッテリーの容量は,どのくらいの距離を走れるかという観点で,ガソリンエンジンのそれに遠く及びません.
そして,とても重い.
これがバッテリーが持つデメリットです.
ガソリンエンジン無しで電気モータだけを使うことが難しいのが分かっていただけたでしょうか.
ちなみに,上記の理由もあって,今現在市販されている電気自動車は主に市街地など生活圏内の短中距離走行を想定して設計されています.
まとめ
これまで挙げたガソリンエンジン,電気モータとバッテリーそれぞれの特徴です.
ガソリンエンジン
- 効率が高くない
- 低速が苦手
- 燃料補給が容易
- 走れる距離が長い
電気モータとバッテリー
- 効率が高い
- 低速が得意
- 充電に時間がかかる
- 走れる距離が短い
- 重い
ここまでのことをまとめると
ハイブリッドカーはガソリンエンジン,電気モータとバッテリーのそれぞれの長所を生かし,短所を補い,燃費を改善している.
ということになります.
低速では電気モータが主に働き,ガソリンエンジンの効率が良い中高速域では電動モータとガソリンエンジンが最適なバランスで力を出す.
これが基本的なハイブリッドカーの燃費が向上する本当の理由です.
あくまで簡略化した説明なので,厳密には違うとか,これが足りないとかあるかもしれませんが,こんな感じです笑
ここで説明を終えててもいいのですが,ハイブリッドカーを語る上で欠かすことのできない機能があるので少し捕捉します.
回生ブレーキ
皆さん,普段運転するときブレーキ踏みますよね?
踏まない方はすぐに教習所に入りなおしてください笑
ブレーキを踏んだ時何が起こるか,
自動車が減速しますよね?
これって実は,
エネルギーを捨てているんです.
このエネルギーをもっと上手に使いたいですよね.
ところで先ほどボロクソ言われていたバッテリー姉さんですが,実は一つ素晴らしい機能があります.それは,
バッテリーはエネルギーを蓄えられる
当たり前に聞こえますが,電気モータのある機能と相性抜群なんです.それは,
電気モータは発電機になれる
発電機と言われてもピンと来ないかもしれません.
手回しで充電する懐中電灯,ありますよね.
手で回して発電して電灯をつける.
実は,これは電気モータを発電機として使っているんです.
つまり,電気モータにバッテリーを繋げば
電気モータを回すのに使ったエネルギーでバッテリーを充電できる
ということなんです.
回生ブレーキというのは上記の特性を使った,
電気モータを回すときにかかる力をブレーキ力として使い
そのエネルギーをバッテリーに蓄える
システムのことです.
回生ブレーキによってブレーキのたびに捨てていたエネルギーを回収できるようになり,回生ブレーキは燃費改善に大きく貢献しています.
どうでしょうか.
初めての記事というのもあり,長くなってしまいましたが,噛み砕いて分かりやすくシンプルに説明できたかと思います.
質問等ございましたらコメント欄までご遠慮なくどうぞ.
ではでは.